篝火プロジェクトCOO

三島 響

── 囲碁歴17年とのことですが、そもそも囲碁との出会いはどんなきっかけだったのでしょうか?

囲碁との出会いは、本当に偶然でした。
当時5歳だった私は、たまたま囲碁教室の前を通りかかって「なにか楽しそうなことしてる!」という感じで、同年代の子たちが夢中になっていることが気になって始めました。

── 最初からハマったんですか?

最初は囲碁が楽しかったのか、友達と会いたかったのか…
そこは定かではありませんが(笑)週1回2時間通っていたのですが、「2時間じゃ足りない!」と親に泣きついていたみたいです。でも実は、小学生の頃は本当にお行儀が悪くて……囲碁教室で走り回って、先生にいつも怒られていました。

── でもその囲碁教室が、大きな存在だったんですね。

学校ではあまり馴染めていなかったので、囲碁教室は私にとっての“居場所”でした。
 囲碁を通じて出会った仲間とは今でも大会などで再会する事が多く、長く続けてよかったなと心から思います。

── そして中学生で“院生”に?

中学1年生の夏に、プロ棋士の養成機関である院生になりました。
 囲碁教室とは雰囲気がまるで違って、殺伐としています。趣味で囲碁をやっている子は一人もおらず、みんなプロになるために切磋琢磨しています。

── 院生としては、どのくらいの期間を?

約6年間いました。正直あんなに過酷な経験はもう二度としたくないです。
 仲の良い子とも、盤を挟めばライバル。夢をかけて、死ぬ気で勝負します。囲碁の実力だけでなく、“メンタルの強さ”も問われる場所です。

── ご家族の支えも大きかったのでは?

本当にそう思います。私が「あと1勝でプロになれる」という時は、父のほうが緊張してご飯が食べられなくなっていました。思い返すと、両親にはたくさん心配をかけたし、支えられたなと思います。

── それでも囲碁を嫌いになることはなかった?

不思議ですよね。どんなにつらくても「囲碁が嫌い」と思ったことは一度もありませんでした。
 プロを目指している時も囲碁を好きな気持ちが私を支えてくれていたと思います。

── そして今、プロ棋士としての生活は?

周りの方々に恵まれて、毎日がとても楽しいです。
もちろん対局で負けて落ち込むこともあります。でも、家族や友人、ファンの方々が応援してくれるから、「よし、また頑張ろう!」って思えるのです。

── 対局以外のお仕事にも挑戦されていますよね。

いろいろな方にサポートしていただきながら、新しいことに挑戦できる環境に感謝しています。そしてこんなに楽しい囲碁をもっとたくさんの人に知ってもらいたいと思っています。
また私自身もこれからも、“楽しく”囲碁を続けていきたいです。

── 最後に、囲碁の魅力って何でしょう?

「正解がない」こと、でしょうか。何度打っても毎回違う発見があります。
囲碁以外は飽き性な私ですが、なぜか囲碁だけは飽きないのです。
これは無限に可能性の広がる囲碁だからこそだと思っています。

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「囲碁が私を変えてくれた」――プロ棋士の原点と、これからの夢